|
|
|
| |
| |
 |
紀元前二六五0年とは、気が遠くなるような大昔。昔という言葉が虚しく響くような彼方の彼方であるが、その頃はじめてナイル河辺、今はサカラと呼ばれる地にピラミッドを建てた男がいた。
その名はジェセル王。エジプト古王国第三王朝の王である。正確に言えば、ピラミッドは王の墓であって、それを建てたのは宰相イムヘテプであった。
ピラミッドも最初の試みであるから、真正三角形には遠い階段ピラミッド。クメ−ル山岳寺院の塔堂をとりのぞいて基壇だけにしたような形である。
どちらにしても、遠い昔。
想像の翼も羽ばたかないと諦めた思いで入ったピラミッド前の博物館。思わず、息を呑んだ。
うす暗い室内に淡い照明に浮かび上がる青い壁。近づいて見れば、青壁と見えたのは青タイルの連なり。縦割り竹、青色小俵にも似て、丸みを帯びた小さなタイルが縦横に張られている。
これが噂に聞いた世界最古のファイアンス・タイルか。
ファイアンスは軟質の陶器の一般名で、ルネッサンス・イタリアの窯業の町ファエンツァに由来する。出来上がりは白色不透明の陶器である。後世のファイァンスの仲間にされてしまった古代エジプト陶器はブル−が多い。地も陶とガラスのあいのこというか、石英の粉末を練って、胎として固め、天然ソ−ダに酸化銅を混ぜた釉をかけ、焼成したものである。
かつてファイアンスタイルは階段ピラミッドの地下回廊の壁を飾っていた。タイル壁で囲まれた贋扉には、王権再生のセト儀式で疾走する王の姿が浮き彫りされていた。
サッカラの博物館にはそのレリ−フはなかったが、暗い室内に浮かんだ黄白の石灰岩板と淡ブル−・タイルの取り合わせが実に美しかった。釉がこんなに光って輝くのは、ガラスに近いからかしらん。 |
|
| |
エジプト美術のブル−には様々なシェ−ドがあるけれどまずはこの黄白の地に映える淡ブル−をジェセル王の青と呼ぼう。
イムヘテプ宰相の美感覚に共鳴し、四千年の月日の橋をあっけなく越えてしまった。 |
|
| レヌカ−・M |
|
Copyright 2008 Renuka & Company Co.,Ltd.
64 Soi Charoenmitr,Sukhumvit 63,Northprakanong,Wattana,Bangkok 10110
Tel.: +66(0) 2 381 1385, +66(0) 2 391 3264 Fax.: +66(0)2 381 1163
Email: contact@renukatour.com |
|
|